蝸牛(かぎゅう)


蝸牛(かぎゅう)とは内耳のうち、聴覚に関与する器官。主な働きは、音の感受、周波数の分析。らせん状に2.5回転したような、かたつむりのような形をした骨からなっている。その内部には蝸牛管というリンパ液で満たされている管がある。外界からの音は鼓膜の振動として受け取られ、中耳にある耳小骨を経て、蝸牛内の液体(リンパ液)を振動させる。その後、有毛細胞と呼ばれる感覚細胞がこの振動を感じ取るセンサーとして働き感じ取る。有毛細胞には、「毛」の部分があり、「毛」が動くと電気信号を出す仕組みとなっている。それにより、この箇所で振動を電気信号に変換、神経細胞に伝えることができるようになる。有毛細胞はらせん状になっている蝸牛管の中にらせんに沿ってピアノの鍵盤のように整然と並んでいて、ピアノの鍵盤のように場所によって敏感に反応する音の高さが異なる。神経細胞に伝えられた電気信号は、その後、脳の5~6箇所の中継地点を経て大脳に伝えられる。これら多数の中継地点を通過しながら音の特徴の情報(音の大きさ、高さ、長さ、音の出所、言葉の内容など)を抽出し、生活の中での音として捉えられていく。

参考文献
伊藤壽一,中川隆之. (2007) 発達期から老年まで600万人が悩む 難聴Q&A. ミネルヴァ書房, 京都.
日本音響学会. (1988) 音響用語辞典(初版). コロナ社, 東京.


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