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カスタム・モールド耳栓 【耳栓の種類】 


「カスタム・モールド耳栓(Custom molded earplugs)」と
呼ばれている耳栓の1種があります。

このページでは、この「カスタム・モールド耳栓
について簡単に説明します。

耳栓,カスタムモールド

カスタム・モールド耳栓(Custom molded earplugs)」は直訳すると、カスタム(耳の形に合わせて作られた/ オーダーメード)・モールド(型取りされた)耳栓となります。

通常、硬いアクリル系の材料を使うことが多いのですが、軟らかめの材料を使うこともあるようです。それぞれ異なる個々人の耳型を元に耳栓が作られ、また、使われる材料、形状の上で、耳栓の出来ばえが(特につけ心地)が耳栓の加工者の技術に大きく左右されることとなります。

フォーム耳栓は素材の柔らかさによって、プレ・モールド耳栓の場合は傘の形などが耳穴に対する柔軟なたわみで耳穴へのアタリが軽くなるようになっています。それに対し、カスタム・モールド耳栓の場合、素材はアクリルで硬く、耳穴内でたわんだりするような構造になっていません。そのため、配慮なく耳栓が作成され、ちょっとした出っ張りが耳栓表面にあるだけで、耳が擦れたりつけ心地が悪い物になってしまいます。また、耳栓をつけている時に感じられる音のこもっている感じが、耳栓の先端の作られ方により変わります。

作成する時は、上記のようなことを踏まえ、特に(1)耳型がシッカリとれていることと、(2)耳型を元に耳栓を作る時に耳栓が耳穴に擦れる箇所をうまく加工できることが重要です(特に、長時間耳栓をつけるような状況で)。

カスタム・モールド耳栓」は、自分の耳の形を元に作れること(特に既成の耳栓ではサイズが見つからない方の場合)、いろいろとカラフルにできたり、装飾ができて、自分の好みの耳栓を作れるところがいいですね。また、使い捨てでなく、繰り返し使用できることも特徴の一つです(繰り返し使う時は、定期的なお手入れをシッカリ行って、衛生的に使いましょう!愛着も出ますね!)さらに、耳穴の形に沿って作られているので、耳穴の奥へ入りすぎることもなく、安心ですね。

カスタム・モールド耳栓」は、遮音用の耳栓としてだけでなく、楽器演奏時に使うイヤ・モニター、飛行機、ヘリコプター操縦の際に使うモニター、補聴器用の耳栓などとしても利用されています。

関連情報はこちら(つけ心地注意点先端部分の詳細通常の耳栓との違い)。

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耳栓効果の変化(耳穴の骨部による)


耳穴に骨?という方も多いはず・・
実は、この耳穴の骨部分が耳栓の性能に
影響をあたえることが分かっています。
このページでは、

耳穴の骨部分がどこにあり
耳栓の効果にどのように影響を与えるかお話します。

まず、耳穴のつくりは、下図のようになっています。
下図では、右耳を表しています。

耳穴,骨,耳栓

耳穴の周りは、穴に沿って外側近くでは
軟骨で構成されている部分で囲まれています。
(ここでは軟骨部と呼びます;図では肌色部分)
表面は皮膚、毛などで覆われています。

それに対して、耳の奥の方では
皮膚の近くまで骨が突き出てきている部分で囲まれています。
(ここでは骨部と呼びます;図では薄いグレー部分)

簡単に言うと、耳穴の壁の部分は
外側近くでは軟らかく、奥のほうでは硬いということです。

カスタムメイドのイヤモニター、補聴器用耳栓など耳の奥の方まで入っている耳栓の場合
奥のほうの骨部の硬い部分に耳栓の先端部分を固定できると
通常、自分の話し声がこもって低く聞こえ気になるといったところを低減できます。

Dillon(2001)によると低い音の域では約10dBくらいの低減もあるようです。

耳栓の耳穴での配置についての比較はこちら・・

一方、通常の遮音目的の耳栓の場合(ポリウレタン耳栓、シリコン耳栓など)
耳栓は、もうすこし浅い位置(軟らかい軟骨部)に先端がくるため
自分の話し声がする時、声の振動が骨から伝わってきて
耳栓、軟骨部が同じように振動してしまいます。
それにより、低いこもった音が大きく聞こえてしまいます。

カスタムメイドのイヤモニター、補聴器用耳栓などを使われている方は
耳栓を作ってもらうときに、先端部分の作りを工夫すると
より快適に使えそうですね。

先端部分のつくりによる、つけ心地、使用感などについては
こちらの「「音をだす耳栓の先端部分について」
をご参考ください。

参考文献:
Dillon, H. (2001) Hearing Aids. Thieme, New York.

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