中耳(ちゅうじ)


外界から音が伝播し感覚器で受け取られるにあたって、関与する器官を外側から順番に、外耳、中耳、内耳と呼んでいる。外耳と内耳の間に位置し、聴覚器官のうち音を伝達する伝音器として働く器官の総称。

耳栓使用(特に飛行機内での耳栓使用)にあたって耳の仕組みを説明する際によく用いられる言葉。

外耳と中耳の境となる所に鼓膜があり、鼓膜では外耳道を経由して入ってきた音を振動としてとらえる働きをする。鼓膜の奥には、鼓室という空間があり、そこには鼓膜でとらえた音の振動を効率よく増幅しながら内耳に伝えるのに必要な耳小骨がある。大きな音が突然起きた時は、耳小骨の周辺についている筋肉が働き、耳が守られるようになっている(聴覚反射; 中耳反射)。しかし、反射の反応は、鉄砲の発泡音などの突発的な音より遅いため、耳を完全に守れるわけではない。鼓室は、耳管という管が鼻咽腔(鼻)からつながっており、これにより鼓室の気圧は大気圧と等しくなるように調整されている。鼓室の気圧が大気圧と等しくなることで、鼓膜の振動、耳小骨での伝達が効率よく行われるようになっている。

参考文献
日本音響学会. (1988) 音響用語辞典(初版). コロナ社, 東京.
Rossing, T.D. (1990) The Science of Sound(2nd eds.). Addison-Wesley Publishing, Reading.
Moore,B.C.J. (1997) An Introduction to the Psychology of Hearing, 4th eds. Academic Press, San Diego.


No widget added yet.