耳栓を選択する時、「遮音性能」だけを検討する人も多くいるように感じられます。
「遮音性能」偏重の考え方で耳栓を選んだ場合、
実際に耳栓を選択、使用した後になって
いろいろな難点に気がつくことにもなりかねません。
(例、遮音性能の数値はよくても、形状的に耳穴に安定的に固定できないために
実際には性能を発揮しない、つけ心地が悪く長時間耳栓をつけていられないなど)
せっかく使用する耳栓・・・後になって後悔しないように
「遮音性能」偏重の考え方から、一歩離れて耳栓の選択を考えると良いかもしれません。
「遮音性能」以外にも下記のような点を考慮すると
ご自身の耳栓使用状況によりマッチした耳栓に出会えるかもしれません。
ご参考にされてください。
代表的な耳栓選択の考慮点(遮音性能以外)
考慮点 | 耳栓性能の側面 | |
---|---|---|
音の大きさ以外の音の特徴 (例、突発的な音か?など) | 遮音性能とそれ以外の音に対する性能 | |
聞き取りたい音の有無 | 聞き取りたい音の聞こえ方 | |
安全性の確保のしやすさ (例、危険音が聞き取れるなど) | 危険音の聞こえ方、危険な状況への対処のしやすさ | |
使用用途にマッチした使い勝手 (例、睡眠時の寝返りの邪魔にならないか?など) | 用途による | |
使用時間の長さ | つけ心地 | |
汗をかきやすい状況か | 通気性 | |
しっかりと使え性能を発揮しやすいか | 耳穴への密着度、取り扱いやすさなど | |
清潔に使えそうか | お手入れのしやすさ | |
音に対する複合的な対処方法の有無 | 耳栓以外に複合的に行える対処方法 |
WHOが公表している「Occupational exposure to noise:
evaluation, prevention and control」という資料では
“…The selection of a hearing protector must be from a total point of view (including comfort) and not only on the basis of the noise reduction curve…”
「…耳の保護具の選択は総合的な視点(つけ心地を含む)で行うべきで
騒音低減のグラフの曲線だけに決めるべきでない…」
と述べられています。
遮音性能の値は、簡単に一言で説明がつくため便利で分かりやすい半面
実際に耳栓を使用する状況での検討されるべき点を忘れさせてしまう危険性もあります。
できるだけ具体的にご自身の音の問題を明確にして検討することで
より快適な耳栓使用が体験できると思います。
参考資料:B. Goelzer, C.H. Hansen & G.A. Sehrndt. Occupational exposure to noise: evaluation, prevention and control.
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