耳管(じかん)


耳管(じかん)とは、中耳の鼓室と鼻咽腔(鼻)とをつなげている管。長さは約3.5cmで中耳の鼓室側となる1/3は骨部、鼻咽腔側となる2/3は軟骨部、移行部分は細くなっている。骨部は常に開放しているが軟骨部は通常閉鎖されている。嚥下(のみこみ運動)や、あくびをした時に耳管が解放され、空気が鼓室に出入りし、鼓室と外界の気圧は平衡に保たれるようになっている。鼓膜は外気と等しい圧の空気が入っている時に最も効率の良い振動をするようになっており、それ以外の時は効率良く伝わらない。つまり、耳管の働きにより、外界の音の聞こえが左右されるということになる。飛行機などの急上昇・降下によって音がこもって聞こえるのは、このためである。

参考文献
日本音響学会. (1988) 音響用語辞典(初版). コロナ社, 東京. 加我 君孝, 吉田雅文. (1989) 耳・鼻・のどの病気と治療 子ども医療相談. 新曜社, 東京.


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