ラセン器(コルチ器)


ラセン器(コルチ器)とは、蝸牛の一部である蝸牛管の底にある感覚細胞とこれを支えている支持細胞で構成されている細胞群のこと。

音を感じ取る上で主要な働きをする器官。耳栓を使用することでこの箇所が守られる。

蝸牛管は全体としては回転にしたがってらせん状になっている。感覚細胞である有毛細胞は、1列の内有毛細胞(合計3500個程度)と3列の外有毛細胞(合計12000個程度)に分類される。これら有毛細胞の基底は蝸牛神経とつながっている(神経の90~95%は内有毛細胞につながっている)。内有毛細胞と外有毛細胞の上をおおって膜(蓋膜)があり、内有毛細胞と外有毛細胞の感覚毛がこの膜と接している。基本的に有毛細胞にある「毛」が動くと電気信号を出し、神経細胞に伝え、脳の5~6箇所の中継地点を経て、音が大脳に伝えられるといわれているが、内有毛細胞と外有毛細胞とで若干役割が異なる部分がある。

参考文献
Moore,B.C.J. (2007) Cochlear hearing loss, Physiological, Psychological and Technical Issues, 2nd eds. Wiley, Southern Gate.
伊藤壽一,中川隆之. (2007) 発達期から老年まで600万人が悩む 難聴Q&A. ミネルヴァ書房, 京都.
日本音響学会. (1988) 音響用語辞典(初版). コロナ社, 東京.


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