老人性難聴


老人性難聴とは、老化することで起きる聴力の低下。老化の度合いは部位、遺伝、環境(騒音、食性、ストレスなど)により異なる。また、個人差も大きいと言える。聞こえの能力は20歳代を頂点に、30代から高音漸傾型(低音域より高音域に障害の主体がある;この型の難聴が最も多い)の難聴で始まり、年齢を重ねるに従って低い音域の聞き取りも悪くなり、70代となり難聴を自覚することが一般的である。聴力検査の結果がさほど悪くなくても、言葉の聞き取り(語音明瞭度)が悪くなる場合が多い。子音の音の聞き間違いが多い。また、音と音の区切りの聞き取りがうまくできないため、早口で話されると聞き取りにくい。さらには、大勢の中での音葉の聞き取りがうまくできない。老人性難聴に伴ってセミの鳴き声のような耳鳴りを患うケースが多い。耳鳴りは、日中は気にならず、就寝時に気になる方が多い。実際には、研究のための環境が整ったところでない限り、老化によって難聴が引き起こされているか、騒音にあたっていることで難聴が引き起こされているかを切り分けることが難しい。

参考文献
伊藤壽一,中川隆之. (2007) 発達期から老年まで600万人が悩む 難聴Q&A. ミネルヴァ書房, 京都.
日本音響学会. (1988) 音響用語辞典(初版). コロナ社, 東京.
杉本 嘉朗. (2012) めまい難聴耳鳴りの対策 恐れず騒がず、でも迅速に. ルネッサンス・アイ, 東京.
立木孝, 村井和夫. (2003) よくわかるオージオグラム. 金原出版, 東京.
Yost, W.A. (1994) Fundamentals of Hearing: An Introduction. Academic Press, San Diego.


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