言語習得の臨界期(りんかいき)


言語習得の臨界期(りんかいき)とは、人が言葉を十分に習得できる年齢の限界のこと。だいたい 5歳頃までとされている。言語習得にはあらゆる感覚が関与するが、最も重要な役割を果たすのは聴覚である。そのため、先天的に難聴である場合で、補聴器や人工内耳(じんこうないじ; 蝸牛の障害により難聴である患者に電極を埋め込みマイクで音を拾うと直接聴神経を刺激する補聴装置)によって補聴されない場合、言語習得に何らかの影響がでることが多い。3歳までに聴覚を活用せずに放置されると、聴覚を通じての言語習得が難しくなると言われている。臨界期を過ぎてから人工内耳を埋め込んでも言葉の習得が進まないケースが多い。生後6ヶ月までが重要としている記述もあり、聴覚障害がある場合は、補聴器など早めの時期に準備されるべきである。近年、欧米では1才未満での人工内耳の埋込みのケースが多くなっている。

参考文献
伊藤壽一,中川隆之. (2007) 発達期から老年まで600万人が悩む 難聴Q&A. ミネルヴァ書房, 京都.
加我 君孝, 吉田雅文. (1989) 耳・鼻・のどの病気と治療 子ども医療相談. 新曜社, 東京.
Dillon, H. (2001) Hearing Aids. Thieme, New York.


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