phon(フォン)


「音の大きさ」を聴覚で受け取る時に感じるレベルを数値化した単位。

通常の場合や、耳栓を利用した場合の、音の聞こえ方に焦点を当てた時に使う。

「音の大きさ(phon; フォン)」と「音の強さ(dB; デシベル)」は、厳密に異なるものをさす。
phonは、「音の大きさ」を聴覚で感じとる感覚量。例えば日常生活の中で「音の大きさが2倍くらいになった・・」といった感覚的な度合いを数値化、単位にしている。一方、dB(デシベル)は騒音計などで機械的に計測された値であるが、音の感じ取られ方は反映されていないため、感覚的に理解することが難しい単位である。
「音の大きさ(phon; フォン)」は、正常な聴力を持った人が基準となる1000Hzの音の大きさと対象となる音の大きさとを比較し、同等の大きさに聞こえると判断した音の大きさを同じ度合いであると判断できるものを同じ数値として指定することで決めてある。基準の音1000Hzの音の強さの数値をphonの数値として使っている。例えば、ある日常生活での音が40phonと判断された場合、その音の大きさは、1000Hzの音が40dBでなっているのと同等の大きさに聞こえているとなる。

参考文献
日本音響学会. (1988) 音響用語辞典(初版). コロナ社, 東京.
Yost, W.A. (1994) Fundamentals of Hearing: An Introduction. Academic Press, San Diego.
Moore,B.C.J. (2007) Cochlear hearing loss, Physiological, Psychological and Technical Issues, 2nd eds. Wiley, Southern Gate.


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